R5年度の高校内居場所カフェ事業の全日程が終了しました。

今年度は野崎高校カフェココアル19回・茨田高校ココカフェ19回(共に大阪府教育庁課題を抱える生徒フォローアップ事業を活用)、門真西高校はすねカフェ26回(大阪府福祉基金地域福祉振興助成を活用)の実施となりました。野崎・茨田両校は平成29年からスタートして今年度で7年目が終了です。はすねカフェは初年度の取り組みとしてなんとか1年間継続することができました。また卒業生を対象としたOBカフェや卒業生への食料品の郵送、卒業生への相談会及び相談支援も継続して実施することができました。

7年間の居場所カフェの中で、支援への”入口支援”、言い換えると、支援につながるための支援、というところに居場所カフェの意味を感じています。支援につながるための”最初の相談をする”ということは簡単そうに見えてとても難しいことです。困難な状況の解決にむけて相談窓口を訪れるためには、知らない相談員に会う、知らない人に自分のことを話す、自分の状況を言葉でまとめる、など多大なエネルギーが必要です。しかし現在の困難な状況が相談するためのエネルギーをすでに奪ってしまっている場合もあります。こうなると、回復するための相談をするために回復しなければいけないけれど相談できないので回復できず云々、と負の堂々巡りのような状況に陥ってしまいます。この先にあるのは孤立です。

当法人では困り感を少し感じ始めた段階で少しのエネルギーで相談をすることができる場所があれば孤立の予防につながると考えています。ここで入口支援としての居場所カフェが一つの方法となってきます。校内カフェはただのカフェなので、そこでは相談をしなくてもいいし、自分のことを話さなくても大丈夫です。ただトランプをしたり、おしゃべりをしたりでOKな空間です。なので参加の敷居が低くなり、まずは会うことができます。会えないことには支援は始まりません。そして、会えるということはコミュニケーションが始まるということでもあります。トランプやおしゃべりを通じてのコミュニケーションからは、支援者のひととなりがにじみ出ていて子ども達のジャッジの対象となっています。子ども達のジャッジを通過できた支援者は少しだけ信頼できそうな人になることができます。信頼できそうな人への相談は、他の人に相談するよりも少ないエネルギーで行うことができるでしょう。会える場所を作る→コミュニケーションが始まる→ジャッジされる→信頼関係、この流れを作ることが居場所カフェの目的の1つであり、支援への入口支援および孤立予防支援になると当法人では考えています。

在学中の校内カフェに加えて、卒業生カフェや卒業生への相談会を継続して実施することも、早期の困り感の発見につながります。卒業・中退後も定期的につながる機会があることで、困難な場面で早く少ないエネルギーで相談ができ、孤立の予防に繋がっていくと考えています。

文末となりましたが、1年間カフェの運営にご尽力頂いた高校教員の皆様ならびにお寺おやつクラブを通じておやつをご提供下さいました寺社の皆様に感謝申し上げます。

R6年度利用人数

野崎高校カフェココアル 延人数278名(実人数76名)

茨田高校ココカフェ 453名(95名)

門真西高校はすねカフェ 631名(175名)