高校内居場所カフェは、支援者としてではなく1人の大人として高校生と出会う場です。

カフェは高校生にとってホッと一息つける場所ではありますが、同時にインフォーマルなアセスメントの場でもあります。支援者は、1人の大人として高校生と出会い、こっそりと高校生のアセスメントを行っています。

いつも制服が汚れている、おやつを大量に持って帰る、あのタイミングでのあの言動をする、などそれぞれの高校生の背景を考える情報はたくさんあります。支援者はそれらを頭の片隅で意識しながら、高校生とお喋りしたりドリンクを提供したりしています。

それと同時に、支援者(大人)も高校生からアセスメントをされています。

こんな服装をしている、あんな趣味を持っている、そんな言葉が返ってきた、などその大人がどんな人なのかを判断する材料もカフェには溢れています。

材料を吟味して、この大人はこういう人か、と高校生も大人達を見立てています。

その見立てられの上で、「この人になら、まあなんか言うてみてもいいかな。」に到達することがひとまずのゴールです。

カフェでは、評価に対してドーピングが可能です。同じ話をする大人でも、温かい飲み物と一緒に話が進めば、その大人への印象は変わります。音楽を聴きながらリラックスした気持ちで見る大人の姿と、殺伐とした無音の空間で見る大人の姿は、たとえ同じ大人であっても見え方は変わるでしょう。

校内居場所カフェでの環境作りは、高校生との関係作りの観点からも非常に大きなポイントです。