「おはよう。」「おはよう。」
「元気?」「うん、元気。」
「ウェーイ」「ウェ~イ」
のようなコミュニケーションは言葉の中身それ自体には特に意味がなくて、このキャッチボール(言葉や表情の交換)を積み重ねていくことが目的となっています。キャッチボールを繰り返すことで、場の空気を共有できているかの確認を行い、信頼関係を作っていきます。

ただ、場の空気感を共有することが苦手な高校生もいます。キャッチボールを繰り返すだけのような中身それ自体には特に意味のないやりとりだけでは、相手のことを図り知ることができません。キャッチボールのみが多発する空間では何をどうしたらいいのか困ってしまうことになります。

こういう生徒と出会って関係性を作っていきたいところなのですが、簡単なキャッチボールから始まるカフェのような場所では「ここは何をするところ???」と困ってしまい、なかなか足を運んでくれません。

なので、キャッチボール→少し信頼→中身のある話→信頼UPと繋がっていくのではなく、中身のある話→少し信頼→キャッチボール→信頼UPという経路で信頼感に繋がっていく、というイメージでコミュニケーションを行うことが必要な場合もあります。

このようなタイプの生徒との関係性を作っていくためには、ニッコリと挨拶をするというようなキャッチボールの積み重ねよりも、本人にとって中身のある会話、例えば好きなアニメ、漫画、推しアイドル、などの話の積み重ねが効果を発揮します。本人にとって強く意味のあることをまずは話すことで、信頼関係が作られ始めていきます。アニメの話をすることは、私はあなたを受け入れていますよ、というメッセージにもなります。

最終的な目的は信頼関係を作ることなので、ニッコリ挨拶はすっ飛ばして、はじめましてで1時間アニメの話をすることも時には必要です。

アニメの話を1時間してから、ニッコリ挨拶を始めることがあってもいいと思っています。

まずは挨拶しよう、と言わなくてもいい空間が校内カフェなのです。